御神木祭の歴史

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御神木祭の歴史

御神木祭は、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)の両正宮をはじめ、14の別宮のお建物を新たに建てるための御用材を伐採する「御用材伐採式」から始まる重要な神事です。
この祭りの歴史は古く、伊勢神宮の式年遷宮と深い関わりを持ち、長い年月にわたって受け継がれてきました。

1回の式年遷宮に使われる木材は10,000本といわれており、その中でも一番大切とされる木材が「御樋代木(みひしろぎ)」といわれる御神体を納める御用材となります。

御用材を伐り出す山を「御杣山(みそまやま)」といい、第一回の式年遷宮から600年は伊勢の神路山(かみじやま)などが、御杣山でしたが、約300年前から長野県と岐阜県にまたがる木曽地方を御杣山として木曽檜の供給を行っています。

御樋代木(みひしろぎ)は、御神木(ごしんぼく)とも呼ばれ、御神木を伊勢神宮にお送りすることは誉の為、地域をあげてお祝いする「御神木祭」が執り行われています。

御神木祭は、伊勢神宮の式年遷宮と深く結びついた神聖な祭りであり、地域の歴史や文化とも密接な関わりを持っています。御神木祭は、時代とともに少しずつその形を変えながらも、伝統が守り続けられています。

御杣山の変遷

(細部は省略)

第1回
690年 
神道山 
三重県伊勢市

神宮宮域林 約600年間

第33回
1304年 
江馬山 
三重県大台町
第35回
1343年 
設楽山 
愛知県設楽町
第36回
1364年 
美濃山 
岐阜県美濃地域
第41回
1585年 
大杉山 
三重県大台町

三重県、愛知県、岐阜県の森林 約400年間
百数十年の中断あり

第47回
1709年 
木曽山(湯舟沢) 
岐阜県中津川市
第51回
1789年 
大杉山 
三重県大台町
第52回
1809年 
木曽山 
岐阜県中津川市、
長野県南木曽町
第56回
1889年 
木曽の御料林 
岐阜県、長野県の木曽地域
第60回
1973年 
木曽の国有林 
岐阜県、長野県の木曽地域

木曽地域(第51回を除く)約300年前から現在に至る

平成17年 御神木祭の記録

(木曾山鎮護 護山神社より賜りました)

護山神社
『御樋代木奉安祭・奉送祭』

■ 6月5日

『裏木曾御用材伐採式』で伐り出された皇大神宮(内宮)御用・豊受大神宮(外宮)御用の2本の御樋代木は、造材・化粧掛けを済ませ、伊勢両宮(皇大神宮・豊受大神宮)の御神霊と共に裏木曾国有林から護山神社へ奉搬されました。

20時過ぎ、境内に到着後、『御樋代木奉安祭』が執り行われ、お招きした伊勢両宮の御神霊と木曾山の御神霊である護山神社御祭神へ、御樋代木伐出の無事を奉告して感謝の念を捧げ、木曾山から御樋代木を輩出する栄誉を寿ぎ、氏子による神事芸能が夜更けに及ぶまで奉納されました。

その後、御樋代木は祖神(おやがみ)である御祭神の許で一晩安置されました。

■ 6月6日

早朝、予め伐採されていた予備木をトラックに積み増して3本の御樋代木が揃い、9時より『お木曳行事』が執り行われ、御樋代木の晴の門出を祝うと共に氏子地域挙っての奉曳式・奉祝行事の安全と伊勢路の無事を祈念しました。


お木曳行事
【護山神社~下付知奉安所】

■ 6月6日

10時に木遣音頭を合図に護山神社を出発。
下付知奉安所【裏木曽街道公園】までの『お木曳行事』が開始されました。

奉曳行列は護山神社氏子を中心に中津川・恵那市民で構成され、三輪神楽・中津川市消防音楽隊・木遣音頭・おんぽい節・稚児行列・裏木曾奉賛会と続きました。
付知町内の旧街道約8㎞の行程を、町内各地区の氏神神社を遙拝しながら1日かけて奉曳しました。

16時半、道の駅『花街道 付知』に隣接する奉安所『裏木曽街道公園』に到着。


下付知奉安所
『御樋代木奉安祭・奉送祭』

■ 6月6日

17時、奉安所にて『御樋代木奉安祭』が執り行われました。

『裏木曽街道公園』では前日・当日と、付知町商工会(現・中津川北商工会)主催の協賛イベント『花フェスタ2005ぎふ御神木フェスティバル』が開催されており、奉安祭後は郷土芸能や当地を題材とした新作能『宮島(みやじま)』の奉納の他、餅まきや打上花火の各種イベント、前日執り行われた『裏木曾御用材伐採式』のビデオ放映が行われました。

日の入りになると1,500本のキャンドルが灯され、御樋代木のかがり火と相まって会場は幻想的な雰囲気に包まれ、安置された御樋代木を一目見ようと、中津川・恵那市民は元より近隣地域からも多数来客があり、歓迎式典は大盛況のうちに幕を閉じました。

その後、御樋代木は古里(故郷)での最後の一夜を過ごしました。

■ 6月7日

8時より『お木曳行事』が執り行われました。
その後、先行車両・御神木供奉車列を整え、岐阜県警交通機動隊の先導により『裏木曽街道公園』を出立しました。

■ その後

中津川駅前公園→瑞浪市駅前→瑞浪中央公園→八百津町役場→美濃太田駅前→木曽川緑地ライン公園(宿泊)

木曽川緑地ライン公園→伊奈波神社→南宮大社→今尾神社→木曽三川公園 と、岐阜県内各地で熱烈な歓迎を受けながら三重県入りをし、伊勢大橋南詰(三重県桑名市)の広場にて木曾谷国有林で伐採された御樋代木(長野県→愛知県経路)と合流して神宮へ納められました。

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